江藤ぴりかのセリフ集

江藤ぴりかのセリフ集です。一人称、語尾、など改変OKです。アドリブも自由に読んでください。使用の際の連絡は不要です。MOJIBANでの文字起こしもOKですが、動画や配信で使用の際はURLを明記をお願いします。自作発言はお控えください。

セリフ175

175
危ない!!
…ああ、リオ。なんてひどい傷。
今、癒しの呪文を唱えます。
「癒やしの女神パナケイア様。
どうかこの者の傷に御手(みて)をお触れください。
ヒール!」
これでひとまず、なんとかなったけど…。
ちゃんと治療を受けるには教会に行かないと。

セリフ173

173
はじめまして、こいつの友達の〇〇(自分の名前)です。
よろしくね。
…へぇ、いい人じゃん。安心したよ。
こいつのことだから、変な人に引っかかってないか心配したんだよ。
あ、ごめんね。彼女(彼氏)さんのこと色々言っちゃって。
でも高校のときからの付き合いでさぁ。
ほんとに悪気ないんだよ?
え?もう帰る?えー!これからが楽しい時間なのにー!
(ヒソヒソ声で)
……あの人、ほんとにいい人?
別れたほうがいいんじゃない?

セリフ171

171
(※セリフ131の一人声劇用台本です)

(※長いです)

 

夜の帳(とばり)が下りる頃、鵺鳥(ぬえどり)たちが
ソロリソロリと動き始める。
まるで口笛かのような鳴き声をあげ、闇の中で活動するのだ。
湿度の帯びた空気がぬるりと頬をかすめる。
「おっかねぇなぁ」
十島(よそじ)がそう呟くと、
一層この夜の不気味さをたたえるのだった。
背中を丸め盗人のようにソロリソロリと歩みを進める。
すると背後から
「こっちへ来い、こっちへ来い」
と声がする。
「ひえぇ!」
十島(よそじ)は驚いて振りむきもせず、
一目散に逃げていった。
「今日は散々だ。おれぁ、怖がりなのに…」

そうこうする内に四十島(よそじ)の家(いえ)についた。
「助かった、これでもう…」
平屋の玄関の戸を開けようとしたその時、
ビュウっと風が吹き、目に砂が入る。
「やめてくれ!おれぁ早く家(うち)に帰りたいんだ!」
急いで目をこすり、砂を取ろうともがく。
「こっちへ来い、こっちへ来い」
「こっちへ来い、こっちへ来い」
あの声が近づいてくる。四十島(よそじ)は狼狽(ろうばい)し、
目が痛いのをこらえて引き戸に手をかけ、中に入った。
「これであの声もどこかに行くはずだ」

土間の瓶(かめ)の中の水で目と顔を洗い、
手ぬぐいで顔をよく拭う(ぬぐう)。
そしていそいそと押し入れからせんべい布団を敷く。
「これでやっと落ち着けらぁ」
布団の中に入り、目を閉じる。
ウトウト、ウトウト。これなら眠れそうだ。
仕事でも帰り道でも精根(せいこん)尽き果てた四十島(よそじ)。
もう少しで夢の世界へ行ける、と思った時。
「こっちへ来い、こっちへ来い」
あの声だ。
ガバッと布団をはぎ、周りを見渡す。
――誰もいない。
カタカタと歯が鳴る。
すっかり怯えて(おびえ)しまった四十島(よそじ)は、
もう一度布団を頭から被り(かぶり)、念仏を唱えていた。
「なんまんだぶ、なんまんだぶ…」
そうする内にもうすっかり疲れてしまったのか、
十島(よそじ)は眠りに落ちてしまった。

雀(すずめ)の声がする。ようやっと朝が来たのだ。
窓から入る朝日に目をしばたかせ、ムクリと起きだす。
「やぁっと朝かぁ。ゆうべはなんだったんだ」
疲労感で身体が休んだ気がしない。
首をパキパキと鳴らしながら、朝の身支度を整える。
いつものように顔を洗い、着物を着る。
せんべい布団を押入れにしまう。
「こっちへ来い、こっちへ来い」
昨日のあの声が近くで聞こえた。
「ひいぃぃ!やめてくれ!勘弁してくれ!!」

もうそこからは、てんやわんや。
十島(よそじ)は大家の元へ向かい、事のあらましを喋った。
「へぇ、それでウチに来たって理由(わけ)かい?
そいつぁ、四十島(よそじ)、おめえさんの勘違いではないのかい?」
「そんなぁ。なんで嘘を言わなくっちゃあ、ならねえんですかい?」
大家は信じていない様子だった。
「最近はそうやって家賃を下げようって輩(やから)がいるもんでね。
まぁ、おめえさんがそういう類(たぐい)って
言いたいんじゃあねえよ?一応の、いわばカマカケってやつさぁ」
「へへ、それならいいんですが、昨晩のことはホントで…」
「わかったわかった。そいじゃ、長屋に見回りをしてもらうよう、
頼んでみるさね」

大家は見回りを頼みに岡っ引きに相談したようだ。
しかし「こっちへ来い、こっちへ来い」という声は止まなかった。
そればかりか、他の住人からもこっちへ来いという声がする、
気味が悪いからなんとかしてくれないかをいう相談が
後を立たなかった。

「おめえさん、ずいぶんやつれたねえ。
どうもあの声が聞こえるのは四十島(よそじ)、
おめえだけじゃあないんだよ」
「へえ…」
力なく応える四十島(よそじ)は、
もう何日もまともに飯を食らってない様子だった。
「それでね、わしも長屋あたりをうろついてみたんでさあ。
そうしたら、確かに声が聞こえたんで耳をすましてみた。
わしには『ちょっと来い、ちょっと来い』と言ってるように
聞こえるんでさ、『出てこい!』と怒鳴るとその声は止んだのさ」
「はぁ…」
十島(よそじ)の耳には届いてない様子で、
今にも休ませてくれと言わんばかりだ。
大家はそんな四十島(よそじ)を家(うち)に泊まらせることにした。

その晩、大家のもとに鴻(おおとり)という
この辺りでは有名な商人が訪ねてきた。
「加鳥(かとり)さん、見てくださいよこの鳥!
清(しん)から取り寄せた珍しい鳥でさぁ!
竹鶏(ちくけい)と言いまして、鳴き声が面白いのなんの!」
「鴻(おおとり)さん、なんですかこんな夜遅くに。
実は今、別の部屋に病人がいるんで静かにしてくださいませんか」
鴻(おおとり)はおっとと口に手を当てた。
すると、籠(かご)に入っていた竹鶏(ちくけい)が
けたたましく鳴いた。
『ちょっと来い、ちょっと来い!』
大家はびっくり。別の部屋で寝ていたはずの四十島(よそじ)も
いつの間にか部屋に来て、
その鳥を見るなり目を丸くさせて口をあんぐり開けていた。
「「鴻屋(おおとりや)!」」
二人は商人に向かって叫んだ。
その後(あと)、四十島(よそじ)は倒れ、
大家は長屋の住人に謎の声の正体を話し、
この件は収束を迎えたとのこと。

セリフ170

170
見ろ、あれが竜の巣だ。
竜の巣が小綺麗なのは、食べ残しやフンを巣の外に出すからだ。
だから外は…ほら、巣の外、右の方に目的の「竜のヒゲ」があるぞ。
今ならアレを手に入れることが出来るかもしれない。
途中で竜を見つけただろ?
あれは縄張りの偵察で飛び回っていたんだ。
…よし、行くぞ。