４
配役
男：
女：
女：あ、この店セールやってる。
男：なになに？「訳あり商品セール」？B品の製品のやつかな。
女：このワンピかわいー！値段は…５千円？！そんなに安くないかな、ははは。元の値段が高いのかなー？あれ、この紙なに？えーと…。
女：『紡績工場（ぼうせきこうじょう）で働くカヨさんは生前、この製品の糸の企画を担当しておりました。通常の業務の他にこの糸の企画も請け負っていたため、過労で倒れました。この糸はそんなカヨさんの生前の無念を晴らすため、チーム一丸となってこの糸を採用した、そんな訳がありました』
男：…重っ！なにそれ、重いよ。訳ってそういう意味なん？
女：値下げ後の価格も書いてないし、そういうことなんじゃないかな？
男：んじゃ、このバッグは…
男：『イタリアの革職人見習いマルコは貧しい家庭の生まれでありました。病弱な妹ソフィアの面倒を見るため革職人への道を進むマルコ。兄として数年厳しい修行の下、靴磨きなどの副業もして妹の薬代を稼ぐ毎日。そんな日々を数年経てやっと顧客に出せるまでの製品を生み出すことが出来ました。そのカバンがこちらの商品になります』
女：…ハッピーエンドで良かった、ぐすん。
男：こんなとこで泣くなよ。俺が泣かせたみたいじゃん。
女：で、価格は…５万！安い！私は買うよ、マルコ！
男：落ち着け！そのバッグ、結構高めだぞ！
女：だってだって、マルコがマルコがぁーー！
男：だぁー！もう、この店から離れるぞ！
女：うわーん（泣）
